最終更新日時 2024-04-26 22:28:34

海外現況報告ー省エネの概念が薄いアメリカ (佐藤一義)

★前川製作所・北米12拠点視察  佐藤一義 (S52年 経営学部卒 ㈱前川製作所)  

佐藤一義氏

 先日は久しぶりの定例会に参加できると喜んでいましたが、急遽国内の出張が入ってしまい、申し訳ありませんでした。
 5/14~8/4まで北米に出張し、その間一度だけ、簡単なレポートをお送りしましたが、忙しさにかまけてサボっておりました。
 
 今回の80日間の出張は前川製作所の北米の12拠点を廻り、まずは社内の現状の把握が目的でしたので、ご所望のアメリカ経済の状況等はあまり把握できていません。
  前川製作所は産業用の機械メーカーで主に食品(食肉・飲料)や水産関係の冷却装置やケミカル関係のガス圧縮装置等を製作・販売している会社ですが、その中核となる圧縮機(冷凍機)は日本とメキシコで生産しています。日本はスクリュー圧縮機、メキシコではレシプロ圧縮機を生産しています。
 その圧縮機(冷凍機)を搭載した冷凍・冷却パッケージやガス圧縮パッケージを日本(茨城、広島)、アメリカ、ブラジル、ベルギー、韓国、等の工場で製造しています。日本では昨年の東日本大震災で被害を受けた三陸沿岸の大型水産冷蔵庫や水産加工会社の冷却装置の納入で大わらわの毎日が続いています。

 今回、私が担当することになった北米にはアメリカに2つのパッケージ工場、メキシコに圧縮機工場と鋳物工場があります。アメリカはロサンゼルスに隣接するトーランスにケミカル系のパッケージの工場があり、テネシー州のナッシュビル近郊に冷凍パッケージ工場があります。そして、その他アメリカに8つ、カナダに3つ、メキシコに6つの営業・サービス拠点があります。
 アメリカは西海岸では日系の食品会社を中心に冷却パッケージやフリーザーを納め、北部(アラスカ)では水産会社、南部、東部では食肉や飲料、食品加工の地元企業に冷凍パッケージやフリーザー、自動機械(鶏の脱骨ロボット)等を販売しています。
 カナダではアイススケートリンク用のパッケージや天然ガス用のガス圧縮パッケージが多く使われています。それらの冷却パッケージはテネシーで生産し、トーランス工場のケミカルパッケージはカナダや中東、南米の石油・ケミカル系の会社に出荷しています。
 日本では省エネ・脱石油の切り札としてエコキュート等のヒートポンプという装置が売れ筋商品ですが、アメリカには省エネという概念は無いようで、まだまだヒートポンプは注目されていません。何せ、外気温度が104°F~105°F(約40℃)以上もある中で、オフィースの空調温度は72~74°F(約23℃)の設定で、数時間オフィースで仕事をしていると体がだるくなり、たまに外に暖を摂りに行く始末で
すので・・・。

 明日からまた一ヶ月、アメリカに行って参ります。今度はケミカル系の展示会やお客さま廻りですので、次回の報告ではアメリカ経済の実情もある程度報告できるものと思っています。

こちらのPDFレポートより、多数の写真を見ることができます。

                           2012年9月17日
                          ㈱前川製作所 佐藤一義

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