最終更新日時 2024-04-26 22:28:34

社会見学会 『明治大学植物工場』見学記(伊藤尊示)

★明治大学の植物工場・都会の真ん中で新鮮で安心な野菜作り!
                            
ユニバーサル企業㈱  伊藤 尊示 (S48年農学部卒)

植物工場の未来に向けて、今各地で様々な提案がされている。明治大学農学部では、平成21年、経済産業省の[先進的植物工場施設整備費補助金]申請が受理され、全国9ケ所の一つとして植物工場の建設が決定(唯一の私立大学)した。3月16日に植物工場、登戸研究所、黒川農場、そして理工学部の新校舎の見学に参加致しましたが、ここでは植物工場見学に絞って報告を致します。

 1. 明治大学の植物工場の基本コンセプト
①食の安全・安心と食の安定供給を確保する。
②植物工場のコストの低減と環境・人体に負荷をかけないシステムの開発を行う。
③有用人材を育て、人材の提供による植物工場の普及活動支援を行う。
④技術指導、共同研究の実施など、植物工場関連中小企業の育成を目指す。
⑤風力発電、太陽光発電と蓄電池の組み合わせによるコスト低減対策を同時に実施する。
である。

2. 明治大学の植物工場で期待される効果
①安全で高品質な食料の周年生産・安定供給体制の確立。
②植物工場の生産コストの大幅削減。
③植物工場生産品目の拡大(根菜類など)及び高機能化(高栄養化等)。
④植物工場関係の有用な人材 (教育された人材) の確保と地域経済の活性化。

 ※植物工場における最大の問題点は、生産コストであり、植物工場さえ建てれば生産できると言った風潮があり、安易に操業した結果、失敗した事例もみられ、撤退を余儀なくされた企業もある。植物工場を農業的・工業的に精査し、特に経営を圧迫する光熱費(特に電気と水道)を削減する技術を開発し、それを科学的に実証する事が今回の課題である。また、単に技術的な開発研究をするだけでなく、植物工場を産業形態の一つとして日本において確立する為の経営・流通面等からの検討を同時に行う必要がある。

 ※明治大学は、現在大きな課題となっているエネルギー・資源問題を真正面から取り組む研究を急いでいる。植物工場を産業として確立・定着する技術・情報発信拠点として都市近郊での事業が確実に成り立つ事を目指している。明治大学の野菜工場は、技術の一分野として考えるのではなく、農商工を連携させるオール明治としての取り組みと位置付けている。  地球規模の人口は70億人を超え益々増え続けている。避けて通れない食料問題。不毛の土地でも有効な野菜の生産が可能である今回のような野菜工場は、将来の人類存続と繁栄にとてつもない力を発揮するのではないかと思っている。明治大学はall meijiの力で将来の日本の農業を牽引するほどの力を発揮してもらいたいと心の底から思っている。

様々な波長のLEDランプを使用した野菜工場

野菜工場で栽培された野菜①

野菜工場で栽培された野菜②

明治大学生田校舎の農学部内にある野菜工場の実験棟

返信する