最終更新日時 2024-04-26 22:28:34

シェイクスピアプロジェクト『冬物語』観劇会ー学生の真剣な姿勢が時間を超越 (鈴木淳一朗・高野縁・伊藤尊示)

鈴木淳一朗君

全国紫明クラブは毎年、学生の手で上演される明治大学シェイクスピアプロジェクトを学生支援活動の一環として観劇会を開催しております。今年も上演劇「冬物語」の観劇会を11月19日に開催しましたが、観劇会に参加した皆さんから感想文が寄せられました。

★ シェイクスピアプロジェクトを見ての感想        
 鈴木淳一朗
 ( 法学部3年 学生校友会) 

企画から演出まですべて学生がやっていると聞いていたので、学生の域を出ないものだろうと思っていたが、良い意味で期待を裏切られたというのが正直な感想だ。素晴らしい完成度で、役者さんもスタッフさんも相当準備・稽古をしたということが肌で感じられた。お金を払ってでも見たいとも思った。
二時間半の劇中で眠気が襲ってくる瞬間もあったのだが、メインキャストが出てくると眠気が吹き飛ぶのは不思議だった。もちろんストーリー展開のせいもあるのだろうが、やはり彼らには観客をひきつける魅力があるのだろう。うまく言葉にできないが、それこそ実力だと思う。シェイクスピア劇は台詞が長く複雑で、しかも早口だ。役者さんはよく話せるな、と思ったが彼らは役に没頭してるのだろう。心からしゃべっているからこそ、自然と言葉が出てくる。逆にそうではない、単に覚えたフレーズを読み上げただけの役者は心に全く響かないし残らない。役者の話に関連するが、私は役者が劇を終えて素顔に戻る瞬間がとても好きだ。程よい緊張感が途切れ、「本人」に戻る瞬間。なんとも言えない安心感がある。
また、運営の手際も良かった。当日は1000人程の入場者がいたが、大きな混乱もなく入場できた。チケット販売・会場誘導等しっかりと事前準備したのだろう。是非学生校友会でも見習いたい。
今年で八回目を迎える明治大学シェイクスピアプロジェクト。プロジェクトの卒業生の中には実際に演劇界で活躍している人もいるらしい。同じ明大生として負けてられないな、とも思う。明治大学という場、学生という立場を最大限活用していきたい。 



高野縁氏



★ 第8回シェイクスピアプロジェクト「冬物語」を観劇して    ( 株)アクト・ヒューマンリード 高野 縁



11月19日(土)、第8回「シェイクスピアプロジェクト」観劇会(18:00~)に参加させて頂きました。
受付を済ませアカデミーホールへ入ると、すでに2階席まで満席。見事な会場と待ちわびる観客の雰囲気のせいか、開演を待つあいだ、思わず学生劇ということを忘れておりました。そして幕開け後の舞台は、2時間半という時を忘れるほど引き込まれるものでした。幾度も練られたであろう台詞に頷かされる場面あり、コミカルなアクションにクスっとさせられる場面あり…、終演時には大きな拍手に包まれていました。
後の懇親会で、キャストの皆さんが8月から数ヵ月の稽古で仕上げたこと、さらには演出・翻訳・美術・照明などすべてに学部・学年を超えた大勢の学生が主体的に参加していることを伺い、大変驚くと同時に、だからこそ「自分たちの大切な舞台」というような温かい雰囲気が漂っていたのだと感じました。
私は仕事で、ナレーターのマネジメントに携わっています。関わるすべてのスタッフの想いは、ステージ上にいるナレーターの台詞やアクションに乗って観客に伝わるように思います。ですから、表に出ることがないスタッフの、惜しまない手間や真剣な気持ちがあってこそ、観客に感動を与えることができます。
恐らく、そのような考え方が、このプロジェクトにも伝統として受け継がれているのではないでしょうか。
シェイクスピア劇は著名であるが故に観客にも思い入れがあり、シナリオや出来栄えには様々な声があるかもしれませんが、このプロジェクトで初めてシェイクスピアに触れる人、さらに興味を持つ人も多く生まれるはずです。ぜひ継続して頂き、明大が今後も、様々な文化の発信拠点となることを期待しております。
最後に、このような会に同席させてくださった上西会長、伊藤事務局長代理ほか全国紫明クラブの皆様に、この場を借りて御礼申し上げます


★伊藤尊示 (S48年農学部卒 全国紫明クラブ事務局長代理)  


久々の大雨に見舞われた11/19(土)、明治大学お茶の水校舎・アカデミーコモン (アカデミーホール) において[8回明治大学シェイクスピアプロジェクト]、タイトル[冬物語]を観劇しました。このプロジェクトは演劇部でもなく、演劇サークル活動でもなく、一般の専門分野・興味関心を異にする学生が、共通の場でシェイクスピアの演劇を演じることによって人間の生とは何か、を考えながら、それを上演する事によってコミュニケーション能力を養成、人間的な成長を遂げることを目的として毎年企画されているもの。参加する学生全員が、すべてのキャスト、スタッフを担っており、明治大学シェイクスピアプロジェクトは、学部・学年を越え、全員が一丸となって成し遂げる一大企画と位置付けられている。昨年も観劇しましたが、今年の出来栄えは、まさにプロ並、2.5時間休憩なしの連続の演劇に最初から感動の連続でした。場内はもちろん満員状態。このプロジェクトは100人近い学生が、11月の本番という1つの目標に向かって情熱的に行動している。聞くところによれば、休日を返上しての稽古、そのキャストをサポートする演出関係者、4ケ月間シェイクスピア翻訳に挑んだ学生翻訳チーム[コラプターズ]、感動の舞台を盛り上げる舞台美術部、デザインから作成まで手掛ける衣装チーム、安定した舞台雰囲気作りを担当する照明係、音で舞台の雰囲気を盛り上げる音響部、そしてチケット販売・管理、大事なお客さんを担当するチーム・制作部、多くの学生たちの努力の総結集で行われた[明治大学シェイクスピアプロジェクト]の演劇であったが、出来栄えの素晴らしさは格別のもの、看板に嘘偽りはなかったと言える。

満員の客席








稽古風景








 

返信する