最終更新日時 2024-04-26 22:28:34

『首都圏外郭放水路』を見学してー美術館のあの感激 (長谷川欣則)  

★素晴らしい美術館に出会った感激  長谷川欣則 (S18理工院 長谷川欣則建築事務所)

長谷川欣則氏 (右:藤井孝祐氏)

見学に訪れた「首都圏外郭放水路」は、中川・綾瀬川流域の水害を改善するために作られた施設です。

この地域にある中小河川の多くなりすぎた水を「立坑」と呼ばれるコンクリート壁に覆われた直径約15~30mもある穴に落として、その水を地下トンネルを通して今回見学した施設の地下にある「調圧水槽」まで送ります。この水槽で水の勢いを調整して江戸川に水を放流する仕組みです。

今回の見学ではこの「調圧水槽」も見学することができました。
見学当日(3月19日)はとても良く晴れ、春の暖かさが感じられた日でしたが、地下へ続く長い階段を降りた先にある「調圧水槽」は、外の環境とは違いひんやりと張りつめた空気に満たされた地下遺跡のような場所でした。

この空間の大きさは長さ177m、幅78m、高さ18mという大きさを持ちその空間には長さ7m、幅2m、高さ18m、重さ500tという圧倒的な質量を感じる柱が59本立っていました。記録的な豪雨の日にはこの巨大な空間を満たすように水が流れ込むそうです。その力強い水の躍動感を柱の表面に付いている土の跡で感じ取ることができました。

自然の力という途方もなく大きなものを、小さな人間が知識を集めてコントロールしている様子を体感できたことは素晴らしい美術館に出会うのと同じくらい、あるいはそれ以上の心に残る体験でした。

長谷川欣則

tennjisitu

先ずは展示室へ

展示室で説明を聞く

地下の調圧水槽

調圧水槽を支える柱

調圧につながる立て坑 (溢れた雨水は上部から落ちてくる)

地下調圧水槽内で記念写真

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