最終更新日時 2022-12-15 16:44:38

会員訪問記ー事務所を立ち上げて2年 (長谷川欣則氏) 

★社会に参加した建築家に   長谷川欣則  (H18理工院建築 長谷川欣則建築事務所)
  

長谷川欣則氏

長谷川欣則氏

東京都台東区上野桜木に長谷川欣則建築事務所代表 長谷川欣則氏を訪ねた。
上野駅公園口を出て日本を代表する美術館や博物館を見やりながら、東京芸術大学キャンパスを通り過ぎると事務所にたどりついた。
まだ事務所を立ち上げて2年余りと浅いせいか看板もなかった。狭いスペースの部屋には多くの建築模型が無造作に並べられている他は、これといった装飾品や家具の類は見当たらない。

(建築家を目指したのは)
高校時代に読んだ旅行記で、地域の文化や風土を表現している建築に興味を持つようになり、建築家への憧れと夢が膨らみました。
大学時代は建築設計を学びながら建築史専攻の田路貴浩研究室に所属していました。卒業設計は平和祈念館の設計をまとめましたが、平和や戦争に関する多くの施設を訪れ、これらの施設のあり方に関する自分なりの答えを探し、表現したものです。
大学院に進んでからは留学生会館をテーマに修士論文・設計をまとめました。文化の違う世界各地からの留学生が、共同生活をする住空間のあり方を研究したものです。

(大学院を卒業されて現在は)
2006年に大学院を卒業して西沢立衛建築設計事務所と岡田公彦建築設計事務所に所属し、美術館や住宅等を学び、2011年に自分で事務所を立ち上げました。
現在は小さな家具から住宅、街づくり等を主に事務所運営をしています。

(住宅設計の特徴は)
住宅は店舗や美術館などと違って、そこで生活をする人を一年を通して包むものです。その違いを大切にしながら住宅を作りたいと考えています。
設計を進める際には、建築主にも建築の楽しさを理解してもらうために時間をかけて共に建築を学んでもらいます。その上で建築主のニーズとこちらの提案が相まって合理的な作品を作り出せた時の喜びは何物にも換え難いものです。

(将来の夢は)
社会に参加した建築家になりたい。
その答えに近づくために、昨年から建築家伊東豊雄が運営している私塾に参加し島おこしをしています。その経験を生かし、地元の埼玉県小川町のために活動を始めようとしているところです。
当面は住宅を主に実績を積んでいき、学生寮などの施設も手がけてみたいと考えています。

上野公園を通っての帰路「この公園の散策と文化施設は、長谷川氏に思索の時と創作活動への意欲を与えるに違いない」と感じた。

 

 

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